<アパートの消費税還付> 

 事務所に上場会社の若い社員が相談に見えました。来年、アパートを新築するにあたって当事務所のホームページをご覧になってたくさんの税理士に相談したものの解決できない問題があるとのこと。

ご質問の内容の要旨は次のとおり

① 消費税還付の道はないか?建物代約4,000万円×8%=320万円が還付されるかは大きい!!

② 確定申告の注意点は?

まず、消費税については私が所有する会社のケースをご紹介しました。

業種は不動産の管理業で課税売上は約1,100万円。現在、古家の取り壊しに着手したところ。

「消費税還付作戦」

建物代(構築物、取り壊し分)約1,200万円×8%=96万円(消費税還付は予定額)

決算期8月 課税売上割合100%

作戦A 税務署に3月末迄に「消費税の課税期間特例の届出書」の提出

B 税務署に3月末迄に「簡易課税の選択不適用届出書」の提出

をすることで、非課税売上であるアパート家賃が発生する前に100%の課税売上を生かし、100%の消費税還付となる。

 

(注1) 簡易課税のままではせっかくの課税仕入の控除ができない為、アウト!!

これをとりやめるために期間の途中の為、課税期間の特例選択届出書を出す又は決算期を変更する。

(注2) 建物の決済引渡しの月に合わせること(前月迄に上記の届出書を必ず提出すること)

(注3) 期間特例で区切った月には貸家の家賃を発生させないこと翌月からなら大丈夫

 

要するに次の場合に該当するときは消費税還付の可能性もあります。(個人、法人問わず)

(イ) 課税事業者であること

(ロ) 免税ではあるが課税売上がそこそこあること

(例:農業、事業、駐車場管理手数料、倉庫、テナント家賃等がある)

(ハ) 1期目に1,000万円超の課税売上があり、3期目(課税事業者)にアパート・マンションを建てる

(ニ) テナント、ビル、倉庫等 課税売上を産む建物を購入する。

 

今回の相談者の場合は残念ながら該当する会社を買うなりして、その会社で建設なりしないかぎり消費税還付はムリです。

(二)のケースで最近行なった消費税還付の実例をご紹介する。

父娘の共有で新宿のビル一棟を65,000万円で取得(仲介・管理は鳥山グループ不動産会社、融資銀行紹介)

 

父 不動産所得あり 課税売上割合 約50% テナント、アパート 混在免税

娘 不動産所得あり 課税売上割合    0% すべてアパート収入   免税

取得した65,000万円のビルのうち、建物の金額約30,000万円

消費税約2,400万円 テナントへすべて貸す為、課税売上100%

 

〇 課税事業者選択届出書と課税期間特例選択届出書(1ヵ月)を引渡し前月(5月末迄)に提出

〇 6月に決済、引渡し

〇 8月末迄に消費税(還付)申告

一般課税 個別対応方式によれば課税売上対応で100%仕入税額控除OK 2,400万円還付申告

〇 2年半早く消費税を支払う必要が生じる為の損失

課税売上家賃収入約6,000万円×8%×2.5%=1,200万円

差引 1,200万円の利益

この利益の性質は一種の値引きに相当する。

但し、一旦借入で賄った後に還付する為、資金繰りにできる分、次の不動産購入の頭金に使用できる分優れている。

この件は税務調査があり、父親の申告について、もしや昔に簡易課税の選択をしていたのではという疑問が生じ、ハラハラしたがこれは大丈夫で問題なしとなりました。

当事務所の料金は成功報酬で20%です。(税務調査対応含む)

 

② 確定申告の注意点

よくある失敗のケース

(イ) 仲介手数料を必要経費の中に含めている。→ 土地建物に按分して、建物は減価償却する。

(ロ) 固定資産税・都市計画税の日割分担金を

租税公課として必要経費に計上している。→ 同上

(ハ) 必要経費に交際費・交通費等の項目で

多額に計上している。         → 税務調査になりやすい。

(ニ) 収入金額に共益費を計上していない

(ホ) 火災保険料も月割計上する(1年以内のものは1年の必要経費でOK)

これらを説明したところ、相談者は大変、納得・感動され、申告の際は顧問契約をお願いしますということになりました。

やはり、45億の賃貸物件を所有管理し、30億の借入を有している鳥山実践税理士としての知識と度胸、勘とハートに感動して頂いたのです。